20151118

唯一の読書

京都へは吉村昭先生の随筆集を読みながら向かいました。
吉村先生の文筆やっぱり好きだなあ…
読みづらいのではというほど硬質感ある文字の並びから、言葉のほうへ入っていくと、躍動する柔軟さが滲んでくるようで、読むことが気持ち良い。
音楽聴いて、うわって思う瞬間と、似たような感覚がある。
豊かで、かっこいいなあって思う。
凄まじいのにとてもふくよかだと思う。
東京の演奏は「東京の戦争」から取った?と言われたことがあって、直接それからではないんだけど、影響はあったと思う。
先生の本は「◯◯の〜」というタイトルが多くあってどれも簡潔で美しいなと思ってたから。初めてタイトル買いしたのも、「月夜の魚」だった気がする。
下弦の月、冬の鷹、プリズンの満月、水の葬列。
月も多いのですね
(ちなみにそれを言ったのは俊ちゃんだと晶ちゃんからきいた。私が吉村昭を読んでると知らなかったはずなのに繋げたのがすごい)
「の」って好きです。

「天に遊ぶ」という短編集を読んだ時に初めて文学で泣いた覚え。
H4だと思ってたのがB6だった、みたいな感動で揺さぶられました。

あのでも、読み漁ってるわけではないので吉村先生について語り合うのは無理です。
ひとりでささやかに味わうたのしみのはなし。












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