職場のぼろぼろの本を捨てるってことで仕分けをしていたところ、
「こんとあき」という絵本に出会った。
おばあちゃんが作ってくれたきつねのぬいぐるみのこんと、もちぬしのあきちゃんが
こんの修繕を頼みにおばあちゃんのところへはるばる行くというトイストーリーなんだけど
なかなかこれがクレイジーでこころわしづかみにされてしまった。
こんは、何が起きてもだいじょうぶだいじょうぶ。と言う。
駅弁を買うのにホームに降りて並ぶとか
発車ギリギリで乗り込んだドアにしっぽはさまれたりとか
しっぽはさまれて動けないからその場でお弁当食べたりとか
もうなんか、ちょっと頼りないマイペースな叔父さん、みたいな立ち位置で
「だいじょうぶまだお弁当あったかいから」とかいいながらしっぽはぺしゃんこになってたり。
「きっぷを持ってないわけじゃないんです」と車掌さんに言い訳したり。
砂丘で犬に咥えて持ち去られて砂に埋められたり。
こんの、あきの保護者のようなふるまいと、同時にぬいぐるみの虚弱さ、それがすごいバランスで心を揺さぶってくる…
しかも作者は林明子さんで、優しくふんわりしつつリアルなあの絵で淡々と綴られているものだから、よりパンチが効いてきてゾクゾクしてしまう。
もともとほつれたところを直してもらうために旅に出たわけで、さらにボディにガンガンダメージ受けてるこんの行く末に不安が煽られてしまう。
それでもひたむきにだいじょうぶというこん…
最後はおばあちゃんがすべて解決してくれるから安心してほしいんだけど。
これは大名作だな…と、ボロボロでらくがきだらけの本を捨てずに持ち帰りました。
こんの型紙つきです。
0 件のコメント:
コメントを投稿